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ユニバーサルデザインの力


イグ・ノーベル賞をご存じでしょうか?


ノーベル賞をもじって、「人々を笑わせ、そして考えさせた」研究に贈られる賞です。

この賞を、2011年に日本の研究者が受賞しています。受賞理由は「火災など緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発」です。


身近な食品を使って警報装置といえば音声情報によるものだという固定観念を覆した、楽しい発明ですね。


「わさび警報装置」は、聴覚障害者や耳の遠い高齢者、睡眠中、ヘッドホンをしているなどの事情で警報音が聞こえにくい人に対して危険を知らせることができるという点で、まさに「障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方」、つまりユニバーサルデザインに基づくものといえます。


この発明は、音声情報ではなく臭気で危険を知らせる、「臭気発生警報装置および異常事態報知方法」として日本や米国などで特許も取得しています。


もちろん、従来品とのコスト差など越えなければならないハードルはありますが、今後実用化が進み、既存の警報装置の1パーセントでも置き換え需要が生じれば日本のものづくりをもっと元気にできます。


このように、ユニバーサルデザインは、楽しくてすべての人々の役に立ち、さらには、日本をもっと元気にできる力を秘めています。


これから日本で生まれたユニバーサルデザインのアイデア、また、ユニバーサルデザイン・ダイバーシティに関するトピックなどをご紹介していきます。

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