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会社と私の「メメント・モリ」vol.3-もし従業員が亡くなったら?
従業員が健康で永く働ける職場作りは経営者の務めですが、残念ながら従業員が亡くなるケースもあります。もし従業員が亡くなったら、会社がしなければならないことはどのようなものでしょうか。注意が必要です。 まず雇用保険、健康保険の資格喪失手続を行います。期間が短い(前者は10日、後者は5日)ため注意しましょう。また遺族年金等遺族側の手続を丁寧に説明して遺族の心の負担を減らしましょう。 自殺や過労死が疑われる場合、さらに慎重な対応が必要です。死亡の原因次第で訴訟リスクが高まります。早急に事実関係の調査を開始し、訴訟を避けるため専門家に相談しましょう。 次に、従業員の相続人を名乗る人物が賃金の未払い分や死亡退職金の支払いを求めてきた場合、そのまま払ってよいのでしょうか? 法律上、従業員が死亡し相続人などの権利者が給与などを請求してきた場合、会社は7日以内に支払わなければならないとしています(労働基準法23条1項)。 しかし、言われるがままに支払うことは会社にとって危険です。 その人物が相続人である確証はありませんし、相続人だったとしても相続人間の争いに会社が
2023年9月15日


会社と私の「メメント・モリ」vol.2-もし株主が亡くなったら?
今回は株主が亡くなったときについて考えてみましょう。 大部分の中小企業(株式会社)では、株主としてふさわしくない人が会社に入り込まないよう、株式を譲渡する場合に会社の承認を必要としています(譲渡制限株式)。 しかし、この譲渡制限株式だけでは株主としてふさわしくない人が会社に入り込むことを防げない場合があります。 たとえば、株主のAさんが亡くなり、子供のBさんがAさんの株式を相続したとします。 実はこの場合、たとえ譲渡制限株式でも会社の承認は不要なのです。 もしこのBさんが放蕩息子でトラブルばかり起こしていた場合、Bさんが株主になると会社は困ります。 そこで会社は定款で定めれば、会社はBさんに対して株式を会社に売り渡すよう請求できます(売渡請求)。この制度、定款で定めていないと利用できませんが、大昔に作成してそのままになっていたりネットで無料公開されたりしている定款にはこの定めがないことがありますから要注意です。 次に、同じく株主の死亡に伴う相続などにより今の株主と連絡が取れなくなることがあります。このような株主を所在不明株主といいます。皆様ご存じ
2023年8月15日


会社と私の「メメント・モリ」vol.1-気をつけたいフリーランスとの契約
「メメント・モリ」とは、「死を想え」「死を忘れるな」という意味の警句です。 ビジネス・プライベートどちらでも自分と関わりある人の「死」はあまり考えたくないものです。しかし、日頃から万が一を意識しておくといざというときにあわてずにすみます。 そこで第1回は企業が業務委託契約していたフリーランスが突然亡くなったらどうなるか、考えてみます。 例えば、ホームページリニューアルのため、ネットでみつけたAさんに依頼したとします。Aさんは前金制とのことでしたので30万円を振込みました。Aさんから時々作業確認の連絡がありました。しかし、ある時から携帯電話は繋がらず、メールを送っても連絡が取れません。やがてAさんの親族と名乗る男性からAさんが亡くなったと連絡がありました。作業の進み具合はわからず、作業用に貸与した資料や機密文書を回収することも困難となってしまいました。この場合、契約書に「定期的な進捗報告」、「発注および成果物の納品は分割」「重要書類は自社の担当者とクラウド上の共有フォルダで管理」等も記しておくことでリスクが軽減されます。 では次の事例はどうでしょう
2023年7月15日


選挙違反のナゾ-3分でわかる選挙
統一地方選挙終了後、各地での選挙違反がニュースになっています。 選挙違反として皆さんよくご存じの買収には実は2種類あります。 ①「運動買収」と②「投票買収」です。 ①「運動買収」の代表例は、本来ボランティアであるはずの選挙運動をしてくれた支援者に対して報酬を支払うことです。 ビラ配り、電話かけ、SNS等を使って投票を呼びかけてくれた人は、特定の候補者の当選を目的とする行為にあたるため報酬を支払うことはできません。 ②「投票買収」の代表例は、有権者に金品を渡したり、無償または実際よりも安い会費(本来5000円の会費のところ3000円分だけ支払い、差額は候補者サイドが負担する等)で飲食を提供して投票依頼したりすることです。 いずれも実際の支払いや提供をしていなくても申込みをしたり、約束をしたりしただけで選挙違反になります(公職選挙法第221条)。 お金だけでなく物品のやりとりをするだけでも選挙違反です。 つい先日投票の依頼に際し食パン2斤を受け取った事案で書類送検されています。 「買収」以外では、③「違法な文書図画の頒布」も多い選挙違反です。選挙運動
2023年6月15日


連座制のナゾ-3分でわかる選挙
「秘書がやりました」は責任逃れの常套句というイメージです。 しかし選挙では通用しません。 厳しい選挙戦を制して当選したものの選挙を手伝ってくれたスタッフの選挙犯罪が発覚して当選無効になってしまった、なんてことが起こります。 みなさんよくご存知の「連座制」です。 公職選挙法では、たとえ当選人(候補者)自身が選挙違反をしていなくても、「候補者と一定の関係にある者」が違反行為をした場合には、当選が無効になります。 この「候補者と一定の関係にある者」とは、 ①総括主宰者 ②出納責任者 ③地域主宰者 ④候補者等の親族 ⑤候補者等の秘書 ⑥組織的選挙運動管理者等 の6つです。それぞれの役割については割愛しますが、ここに秘書が含まれています(⑤)。 つまり「秘書がやりました」と言い逃れできないようになっています。 候補者のあずかり知らぬところで秘書が買収行為を行っていたというニュースをしばしば耳にしますが、たとえ候補者が知らなくても連座してしまうのです。 初めて立候補する場合、自身のために一生懸命働いてくれる人に「秘書」の肩書きをつけてあげたいと思うでしょう。
2023年5月15日
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