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不動産お悩み相談-賃借人から高額な修理代金を請求されました

  • 18 時間前
  • 読了時間: 2分

修理

Q 私は古いアパートの一室を貸しています。その部屋のベランダの手すりが数メートルにわたって崩れたとの通知が借主がありました。古いアパートですので、崩れた原因は経年劣化で借主に過失はないようです。

借主はこの手すりを勝手に直してその修理代を貸主の私に請求してきました。

しかし賃貸借契約書には「必要費及び有益費は借家人の負担とする」という条項があります。これでも私は修理代を払わなければいけませんか。


A 貸主が修理代を負担する必要があります。


賃貸借契約において、本来は貸主が目的物の使用・収益に必要な修繕を行う義務を負い(民法606条1項)、借主が支出した必要費(維持・管理のための費用)は直ちに貸主に請求できるのが原則です。


確かに契約書にある「必要費及び有益費は借家人の負担とする」という条項(費用償還請求権の放棄特約)自体は原則として有効です。


しかし裁判例や実務上、この特約は合理的な範囲に限定して解釈される傾向があります。具体的には、借主に負担させることができるのは照明器具の交換のような日常的かつ少額な修繕(小修繕)に限られます。建物の構造に関わるような大修繕については、特約があっても貸主の負担とされる可能性が高いです。

本件のベランダの崩壊は建物の安全維持に関わる重要な修繕(大修繕)とみなされるものと思われ、特約の対象外として貸主が負担すべきと考えられます。


本件のような費用償還請求権の放棄特約は貸主にとっては重要な条項です。貸主としては契約書に入れたいと考えるのは自然です。

しかし上記のようなリスクがあるうえ、借主が個人の消費者である場合消費者契約法10条により消費者の利益を一方的に害する不当な特約として無効とされるリスクもあります。


費用償還請求権の放棄特約については「必要費及び有益費は借家人の負担とする」というような抽象的な文言は避け、賃借人が負担すべき範囲について具体的かつ詳細な定めをしておくことが安心です。


また最終的に貸主が費用を負担しなければならない場合でも予想外に賃借人から高額な修理代金の請求を受けるリスクを回避する必要があります。

そこで修繕が必要になった場合には借主が貸主に対してすみやかに書面で通知する義務を負うと定め、一定額以上の修繕については見積りの事前の提示と賃貸人の同じく事前の承諾が必要とも定めておくとより安心です。

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