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マウスとユニバーサルデザイン


PCの操作に欠かせないマウスですが、近年は人間工学に基づいて作られた手になじみやすいマウスが普及しています。


ところが、これらのマウスは大部分が右手での使用が前提になっており、右手が不自由な方にはかえって使いにくいものです。


障害の問題ではありませんが、これらのマウスは左利きの方にも使いにくいものになっています。


一方市場に流通している左右対称のマウスは少なくなってきています。


左利きの方は日本人の場合1割以上という統計がありますが、単純に計算しただけでも1200万人以上の方が選択肢を制限されていることになります。


これを解決する、左右いずれの手で使用しても使いやすいマウスを富士通株式会社が開発し、特許を取得しています(特許第460753号、※)。


このマウスは、手首に負担が少ない構造を維持しつつも、テーブルなどへ接する底面を2つもち、しかも右手、左手のどちらで使用しているかを検出します。

そして、左右の入力ボタンの機能切り替えを自動的に行います。


左手でマウスを使用する場合、面倒の一つはOSの入力ボタンの機能切り替えですからこれは便利です。


個人的な話で恐縮ですが、私は右利きであるものの、マウスは左手で使用しています。


これは、肩を痛めて右手でマウスを使えなくなった時期があり、不便を承知で左手で無理矢理右手用マウスを使用していたことがきっかけです。


左手で無理矢理マウスを使っているうちに、マウスを使用しながら別の作業(電話をかけたりメモをとったりなど)ができて業務に便利なこと、テーブルを広く使えることや、右半身ばかり使用していた状況が是正されたためか明らかに身体の調子がよくなったことに気付いたからです。


マウスと同じパソコン周辺機器のキーボード、はさみなどの文房具、駅の自動改札機まで、右利きが前提となっている機器が広く社会に普及しています。


しかし、上記のような、右利き左利き問わず使いやすい機器は少数派の左利きの方だけでなく、多数派の右利きにとっても選択肢の幅を広げてくれるのではと感じています。


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※ 詳細をお知りになりたい方は特許庁の開設した検索サイト

の「特許番号」欄に「4607532」と入力して検索してみてください。


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