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お札とユニバーサルデザイン


いつも目にする千円札や一万円札ですが、よく見ると微妙に幅が違います。


紙幣の横幅は一万円札が最も広く、五千円札、二千円札、千円札と、額面が下がるのに合わせ狭くなっていきます。また、ホログラムは一万円札と五千円札にしかなく、かつ、その形は一万円札が円形、五千円札が四角形と異なっています。


これは視覚に障害があっても持っているお札を見分けられるようにするためです。


しかし、紙幣が劣化したり汚れたりしている場合、また、視覚を失ってから間もない場合には見分けられないことがあります。


そこで、国立印刷局は、動画データを用いることで、たとえ、紙幣にしわや汚れがあったり、紙幣が折り込まれていたりしている場合でもより簡単、正確に紙幣の真贋と券種を判別できる技術を開発しました(特許第5315581号、※1)。


この技術の一部とスマートフォンの動画機能を組み合わせたアプリケーションがiPhone向けアプリケーションとして公開されています。「言う吉くん」です。


(言う吉くん)


内蔵カメラを使って紙幣を映すだけで、その額面を音声や画面で知らせてくれます。


無料ですので気軽に試せます。


チャージやキップを購入するとき、自動販売機に紙幣を何度入れても戻ってきてしまうことがありますよね。


これは紙幣の向きではなく、視覚障害者の方が紙幣の判別に困るのと同じで、紙幣の劣化や汚れが原因です。


もしこの技術が広がり、自動販売機にも採用されればそのような問題はなくなりますね。また、この技術は、紙幣以外、たとえば入場チケットや運転免許証などにも使えますから、コンサート会場などの円滑な入場整理に応用可能です。すべての人に役立つ技術です。


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※1 詳細をお知りになりたい方は特許庁の開設した検索サイト

の「特許番号(B)・特許明細書番号(C)」欄に

にて「5315581」と入力して検索してみてください。

※2 独立行政法人国立印刷局ホームページ

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