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お弁当とユニバーサルデザイン
ケーキの上にはよくプラスティックでできたデコレーションが乗っています。かわいらしいですがこのデコレーションは事故の原因になることがあります。 たとえば、50歳代の方がカフェで食事中にケーキの上のプラスティックを誤飲してのどに詰まらせ、救急搬送され手術したという事故が報告されています(※1)。 注意していてもプラスチックが割れていたり、ケーキの中に埋まってしまっていたりすると大人でも気づきにくくなりますから危険です。 この方は幸い1週間未満の治療で回復されましたが、小さな子どもや高齢者の場合でしたらもっと重大な事故に繋がるおそれがあります。 このような食べ物と食べられないものが混在していることから生まれる危険は視覚に障害がある場合もっと大きくなります。 特に危険だとの指摘が多いのは、お弁当の中に入っている緑色のギザギザしたシート(バラン)です。 食事の際に区別できず、バランごと口に入れてしまうからです。視覚障害者の方からは食べられるバランを作ってほしいとの要望が寄せられていました。 そこで最近注目されているのがお弁当に入れる食材それ自体をバランにし
2021年6月28日


おもちゃとユニバーサルデザイン
2021年6月15日、日本おもちゃ大賞2021が発表されました。 その中に「共遊玩具」部門があります。 共遊玩具とは、だれでも、目や耳が不自由でもみんなで遊べるおもちゃです。 共遊玩具の試みは30年前から始まり、現在では多くの楽しいおもちゃが生み出されています。 今年の共遊玩具部門の大賞は「ルービックキューブユニバーサルデザイン」(株式会社メガハウス バンダイナムコグループ)です。 https://www.megahouse.co.jp/megatoy/products/item/3127/ 色だけでなく、凹凸の形もそれぞれ違いを設けることにより、手触りを手がかりに面をそろえることができます。 目が不自由な子どもたちでも楽しめます。目が不自由か否かに関係なく、手触りだけを手がかりに面をそろえるという斬新な遊びができます。 ルービックキューブのような半世紀近い伝統をもつ製品でも、ユニバーサルデザインの観点から見なおすとさらにすばらしい製品が生まれます。 Written by 法律事務所アイディペンデント
2021年6月21日


靴べらとユニバーサルデザイン
外出は高齢者の方にとって特に大切です。 ところが在宅介護の場合、外出のハードルになるのが靴です。 高齢になると、手や指の細かい動きが難しくなり靴を履くことがおっくうになりがちです。 腰をかがめることが負担になったり、痛みがあったりすることもあるからです。 これを解決してくれるのがパシフィックサプライ株式会社が開発/販売している靴べら「Vela」です。 使い方はかんたんです。靴のかかと側に差し込んだうえで、足を乗せ体重を少しかけるだけです。3秒で靴を履けます。 以下の点で優れています。 ・使用方法が一見してわかる ・自分の体重をかけるだけでよいので難しい操作や強い力も不要 ・小さいため携帯が容易。外出先でいったん靴を脱いでまた履く場合にも簡単に使える ・従来の杖状のものと違い車いすユーザーにも簡単に使える ・力をかけずに靴をかんたんに履けるので高齢者以外にとっても便利 ユニバーサルデザインの観点からも優れたすばらしい製品です。 Written by 法律事務所アイディペンデント
2021年6月14日


囲碁とユニバーサルデザイン
囲碁は4000年もの長い歴史と伝統をもつゲームです。 しかし、これまで視覚に障害があると囲碁を楽しむのには困難でした。 当然ですが、白い碁石と黒い碁石の違いが分からないからです。 これを解決すべく日本で発明されたのが「立体囲碁アイゴ」です。 この「立体囲碁アイゴ」では、黒い碁石のみ突起があり、触覚で区別できるようになっています。また、碁石を盤面に固定しやすいよう、盤面の線が立体に浮き上がっており、碁石の裏側には切れ目が入っているなどの工夫もされています。 https://www.lighthouse.or.jp/iccb/items/aigo/ この立体囲碁アイゴを使えば、視覚障害者とそうでない人が同じゲームを同じルールで楽しむことができます。画期的です。しかも、囲碁は日本国外、たとえば中国や台湾でも楽しまれていますから、異国の視覚障害者ともゲームを楽しむことができるのです。 視覚だけでは区別しにくいものを他の感覚の助けを借りることで区別しやすくするという発想は、すべての人々が暮らしやすい社会を作るというユニバーサルデザインの実現のためにはとても
2021年6月7日


会議とユニバーサルデザイン
聴覚に障害がある場合、当然音声によるやりとりには困難があります。これは会議など多人数間でのコミニュケーションの場ではより大きな問題になります。 そこで、会話をリアルタイムに目で見えるようにし、これを解決するアプリがあります。「UDトーク」です。 これを使えば、会話の内容がリアルタイムに文字情報としてスマートフォン画面、またプロジェクターを介し大画面にも表示できます。テキストデータとして転送することもできます。聴覚障害者の方だけでなく、もちろん議事録作成などにも便利に使えます。しかも、個人が非業務で使う場合には無料です。 現在のスマートフォンの性能による制約から、誤認識などの若干の問題は残っていますが、解決は時間の問題でしょう。 このアプリがさらにすばらしい点は英語等の外国語にも対応していることです。 私事で恐縮ですが、某大手日本企業に勤める知人から先日このように言われました。 「日本の英語教育はリスニングに偏りすぎてきた。そのため英語に苦手意識がある担当者は外国との交渉の場でリスニングに意識が集中するあまり自己主張が十分できず、交渉力が弱くなって
2021年5月31日


焼酎とユニバーサルデザイン
「いいちこ」という焼酎があります。 おいしくて飲みやすい、またお財布にも優しい麦焼酎です。 この「いいちこ」紙パックのキャップがユニバーサルデザインのものに切り替わっています。 https://news.nissyoku.co.jp/news/detail/?id=WAKUI20180531105012727&cc=01&ic=170 これまでの紙パックは、外側のキャップを開けた後、さらに中にあるプラスチックのピンを引き抜く必要があります。 ピンを引き抜くには意外と力が必要です。ピンの穴に指を差し込むこと自体が負担になる人もいます。 このピンはプラスチックとはいえ鋭利な部分があるため扱い方によってはケガをするリスクや、指が汚れていると注ぎ口が汚染されるという問題もありました。 大日本印刷株式会社がこれを解決するキャップを開発しました。 新しい「いいちこ」の紙パックは、このキャップを採用し、開けただけで直ちに注げる構造になっています。 さらに優れているのは、キャップを開けきったら「カチッ」という音と感触があることです。 たとえば認知能力に問題が発生
2021年5月24日


ナビアプリとユニバーサルデザイン
Googleマップやヤフーマップのような地図によるナビゲーション(ナビアプリ)は広く普及し、もはや日常生活や旅行に欠かせないサービスになっています。 しかし、ユニバーサルデザインの観点からはまだ発展の余地があります。 これらのナビは、最短ルートを基本としていくつかの候補を示したり、場合によっては選択肢として雨の日に屋根の多いルートを示してくれたりします。 もちろん便利ですが、たとえば視覚に障害のある方、高齢者の方には不便なところがあります。 最短ルートであっても段差・階段が多かったり、点字ブロックがなかったりすればこれらの方には最善ルートではないからです。 この点に着目した新しい試みが始まっています。 「だれでもナビ」です。 (android版) https://play.google.com/store /apps/details?id=org.shiawasenomura.app.udnavi&hl=ja (iOS版) https://itunes.apple.com/us/app/%E3%81%A0%E3%82%8C%E3%81%A7%E3
2021年5月17日


キャリーケースとユニバーサルデザイン
旅行や出張などの際、重たいキャリーケースを運びながら移動するのは一苦労です。これは足が不自由な方、高齢者の方にはもっと深刻な問題です。 この問題を解決してくれる理想的なキャリーケースがあります。株式会社スワニーが開発した「SWANY」シリーズです。 通常のキャリーケースは、体の後方で引いて歩くことが多いですが、SWANYシリーズは、湾曲ハンドルなどの特許を取得した技術により、体の横で押し て歩けます。その結果、歩行中、キャリーケースが体を支えてくれます。移動がとても楽になります。 普通は重くて引っ張らなくてはいけない荷物が、逆に自分の体を支えてくれるようになるという画期的な製品です。 このSWANYシリーズは、足が不自由で歩行に困難を感じていた方が開発されたものですが、実際に使ってみると、歩行が困難か否かに関係なくとても便利です。 重たいキャリーケースを引いて駅や空港を右往左往しなくてもよくなりますし、駅のホームで電車を待っていたり、空港の手荷物受取所などで立ち止まったりしている際にも、体重を預けて体を休めることもできるからです。...
2021年5月10日


クレジットカードとユニバーサルデザイン
買物の際に現金ではなくクレジットカードやICカードを使うキャッシュレス化が進んでいます。また様々な企業や店舗がそれぞれポイントカードも発行しています。便利でお得ですから、たくさんのカードを日常的に持ち歩いている方も多いのではないでしょうか。 便利でお得なカードですが、たくさんの種類のカードが日常的に使われるようになったために、視覚に障害がある場合新たな不便が発生しています。 視覚以外でも識別できるよう配慮されている紙幣や硬貨などと違い、カードは区別が難しいからです。 この問題を解決しようと、株式会社エポスカードは、発行・更新されるクレジットカードにはすべてエンボス(浮き彫り処理)をして、カードを識別しやすくしています。カードの表面に3つエンボスが印字され、目で見なくても触るだけで同社のカードは識別できるようになります。 https://mainichi.jp/universalon/articles/20180612/org/00m/040/010000c たとえ視覚障害がなくとも、ポケットの中に複数のカードが入っている場合、このエンボスは役立ち
2021年5月3日


スピーカーとユニバーサルデザイン
日本に難聴者の方は何人おられるかご存じでしょうか。実は、人口の11.3パーセントにもあたる、1430万人以上と推定されています(※1)。そして、高齢化社会の進行により加齢を原因とする難聴(老人性難聴)に悩まされる方は今後も増えることが予想されます。 ユニバーサルデザインの重要性への理解が広がるにつれ、難聴者に配慮し、防災無線などの安全に関わる情報について文字をも併用して提供しようという動きが広がっています(※2)。 しかし、音が聞こえにくいことは、このような防災の面で問題が生じるだけでなく、他の人が聞こえている音が聞こえないことによる孤立感、疎外感をもたらします。しかも、老人性難聴は、認知症やうつ病に繋がるという指摘もあります(※3)。これらへの対策は、文字情報の併用だけでは不十分です。 この問題を解決する一助となるスピーカーがヒットしています。株式会社サウンドファンが開発、販売している「ミライスピーカー」です。 https://miraispeaker.com/ 高齢者は、通常のスピーカーより蓄音機の方が聴こえやすいという研究があります。このス
2021年4月26日


駅とユニバーサルデザイン
バリアフリー新法という法律があります。正式には高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律という名前です。 高齢者や障害者、妊産婦、けが人などの移動や施設利用の安全性や便利さを向上させることが目的です。 その特徴は当事者の視点を活かすよう、協議会制度や利用者・地域住民からの提案制度を導入したことです。 一部の施設にはせっかく予算をかけて整備したのに当事者から見ると使いにくい設備になっていることがあります。 たとえばだれでもトイレなのに肝心の車いす利用者が使えない、などです。 このような問題を解決するために大切な法律です。 JR東日本御茶ノ水駅は1日の乗降客数が10万人を超える日本有数の駅です。 この法律を受け、同駅がバリアフリー化されました。 これまでは階段を上らなければ駅から出られませんでした。 しかし、このたびエスカレータやエレベータが設置されました。 これによって階段を上ることなく駅から出ることができます(御茶ノ水口の場合)。 写真撮影当日はあいにくの雨でしたが重たい荷物と傘を同時に持っているとたとえ車椅子でなくてもそのありがたさが如
2021年4月19日


お薬手帳とユニバーサルデザイン
みなさま、お薬手帳をお持ちでしょうか。飲んでいる薬の種類、用法・用量から、トラブルがあったときの緊急連絡先まで記載された便利で安心な手帳です。 薬の飲み合わせや副作用のリスクを下げるのにも役立ちます。2016年4月からはお薬手帳を持参すると自己負担額が減免されるという制度も始まりました。 しかし、このお薬手帳は、当然文字で記載されていますから、日本語を理解できない外国人にも、認知症などにより判断能力が低下している人にも不便です。 これを解決するシステムが発明、開発されています(※特開2017-142665、東日本メディコム株式会社)。このシステムは、コンピュータを使うことで、自動的に患者の属性に応じて、お薬手帳や薬袋はもちろん、スマートフォンやパソコンなどの電子機器に薬の用法・用量、注意事項について外国語や分かりやすい図柄を表示できます。 分かりやすい図柄が表示されるため、このシステムは外国人や認知症などの人に限らず、子どもたちにも安心です。また、たとえ日本人で判断能力が十分でも、高熱でもうろうとしているような場合には、「この薬はグレープフルーツ
2021年4月12日


音のユニバーサルデザイン
街では音声アナウンスがあふれています。 しかし、聴覚障害者の方には聞こえません。電光掲示板などが設置されていても、常にアナウンスと同じだけの情報が提供されているわけではありません。空港や駅のスタッフに尋ねようにもコミュニケーションが取れるとも限りません。 この問題は事故などのトラブルがあった場合にはさらに重大です。 この問題を解決し、音の世界でのユニバーサルデザインを実現するシステムをヤマハ株式会社が開発しました(特許第5871088号、特許第5887446号、※)。 この特許技術を用いたアプリが「おもてなしガイド」です。 https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.yamaha.omotenashiguide&hl=ja このアプリはアナウンスをスマートフォンなどの端末上で即座に文字として表示できます。 そして、日本語だけでなく、英語のほか5カ国語でも表示が可能な点も優れています。 聴覚障害者だけでなく、日本語が理解できない外国人にも、騒々しい場所でアナウンスが聞き取れなかった場合にも
2021年4月5日


ノートとユニバーサルデザイン
気候や体調などが原因で指先が乾燥し、ノートのページがめくりにくくなってしまうこと、たまにありますよね。 指を舐めてめくることもできますが、衛生面が気になります。また、そもそも周りに人がいたり、みんなで使っているノートだったらできませんよね。 この問題は、障害により手のしびれ、まひ、ふるえがある方にはもっと深刻な問題です。 これを解決してくれるノートがあります。コクヨ株式会社「パラクルノ」です。 普通のノートは裁断面(表紙を上側にした場合の右側)が垂直になっています。 しかし、このパラクルノは裁断面が斜めになっています。 これによってなめらかにページをめくり、簡単に目的のページを開けます。 手のしびれ、まひ、ふるえがある方にとっては福音となるノートです。 実は、このノート、手のしびれなどがあったり、指が乾燥したりしているような場合以外でも便利に使えます。特に便利なのは、スマートフォンで会話しながらメモを取る場合です。 最近はメモをスマートフォンで取ることが多いですが、当然スマートフォン自体を会話で使っている場合にはそれができません。...
2021年3月29日


もちとユニバーサルデザイン
嚥下障害という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。食べ物などを呑み込む機能がうまく働かないことです(※1)。嚥下障害は、誤嚥(呑み込んだ食べ物などが誤って気道に入ること)の原因です。 この誤嚥による事故は、正月にもちを喉に詰まらせて高齢者が亡くなるという不幸なニュースの形でマスコミをよく賑わせています。 そればかりでなく、肺炎入院患者のうち誤嚥性肺炎によるものの割合は、80歳代では80パーセント以上、70歳代では60パーセント以上、60歳代でもおよそ半数、50歳代でさえ20パーセント以上になるなど、ニュースで報じられている以上に深刻な問題です(※2)。 しかし、誤嚥を防ぐために流動食ばかりというのでは生活の楽しみが失われます。 これを解決しようと、味や香りなど風味は普通の餅と同じでありながら、嚥下が難しい人でも安全に食べられるもちを名阪食品株式会社が開発しました(特許第6081004号※3)。 このもちは、原材料とその組み合わせの工夫、新しい製造方法などにより、見た目も風味も従来型のもちそのものでありながら、舌で容易に潰して飲み込むことがで
2021年3月22日


カラーユニバーサルデザイン
カラーユニバーサルデザインという言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。色覚(色を識別する感覚)の異常に配慮したデザインです。 先天色覚異常の方は、日本人の場合、300万人以上いるとされています。色覚に異常がある場合、たとえば緑と青、紫と青の区別が難しくなったり、濃い赤がほとんど黑と同じように見えたりします。しかし、情報の受け手が誰かによってその伝達内容に差が出ると問題が生じます。 たとえば信号機が一部の人に見えにくい配色や構造になっている場合、その人には大きな不利益ですし、事故にも繋がります。 実は最近普及したLED信号機は色覚異常の方には見えにくく、実際に2人の方が亡くなるという不幸な事故も起きています。 https://mainichi.jp/articles/20160224/k00/00m/040/113000c このようにカラーユニバーサルデザインは人の生命にも関わるとても大きな問題ですが、デザイン性との両立が課題でした。 この点を解決する技術を株式会社リコーが開発しました(特開2018-10509、※1)。 これは、画像をカラーユ
2021年3月15日


お札とユニバーサルデザイン
いつも目にする千円札や一万円札ですが、よく見ると微妙に幅が違います。 紙幣の横幅は一万円札が最も広く、五千円札、二千円札、千円札と、額面が下がるのに合わせ狭くなっていきます。また、ホログラムは一万円札と五千円札にしかなく、かつ、その形は一万円札が円形、五千円札が四角形と異なっています。 これは視覚に障害があっても持っているお札を見分けられるようにするためです。 しかし、紙幣が劣化したり汚れたりしている場合、また、視覚を失ってから間もない場合には見分けられないことがあります。 そこで、国立印刷局は、動画データを用いることで、たとえ、紙幣にしわや汚れがあったり、紙幣が折り込まれていたりしている場合でもより簡単、正確に紙幣の真贋と券種を判別できる技術を開発しました(特許第5315581号、※1)。 この技術の一部とスマートフォンの動画機能を組み合わせたアプリケーションがiPhone向けアプリケーションとして公開されています。「言う吉くん」です。 (言う吉くん) https://www.npb.go.jp/ja/intro/ninsiki/iukichi
2021年3月8日


エレベーターとユニバーサルデザイン
大きめの商業施設や築浅のビルのエレベーター内部にはよく鏡が設置されています。これは防犯や身だしなみのチェックに便利です。しかし、もともとは車いす利用者の方のために設置されているものです。 つまり、車いす利用者の方がエレベーターから後ろ向きで出ようとした際、扉が開いているか、また、後方に人や障害物がないかを確認しなければ危険です。その際、後方確認のためにいちいち振り返らずともエレベーターから出られるようにしたものです(※1)。 この鏡、だらしない私は、車いす利用者の方がいらっしゃらない場合には、寝癖がついていないか、鼻毛が出ていないかのチェックにありがたく使わせていただいています。 エレベーターでは鏡以外にも低い位置に押しボタンがもう一組設置されていたり、扉の開閉時間を延長できたりなどの配慮が行われています。 車いす利用者向けのボタンを押した場合、扉の開いている時間自体が長くなる配慮も行われています。 これも、車いす利用者でなくてもけがをしたり乳幼児を連れていたりしているときなどはとてもありがたいですね。 これらの配慮もユニバーサルデザインは障害の
2021年3月1日


リモコンとユニバーサルデザイン
エアコン、テレビなど、家電の操作にとって便利なリモコンですが、高次脳機能障害の方、認知症の方、高齢者の方から見るとかえって不便が生じていることをご存じでしょうか。 リモコンを見つけられない、見つけられてもリモコンを取り違えてしまい意図した操作ができないことが多いのです。 神戸大学などの方がこれを解決する新しいリモコンを考案しました(特開2018-033049、※)。普通、リモコンといえば、平べったい形をしたかまぼこの板のような直方体で、1つの面だけにボタンが配置されているものが主流です。しかし、その形自体を変えてしまおうという発想に基づいています。 新しく考案されたリモコンは多角柱、たとえば三角柱の形をしていて、かつ、すべての面にリモコンのボタンが配置されています。そして、それぞれの面に各家電(たとえば、エアコン、テレビ、照明)のボタンが分けて配置されています。これによって複数のリモコンを一台にまとめておくことができ、見つけやすくなります。 また、このリモコンの特長は、リモコンが自立するようにできていることも挙げられます。 リモコンが見つけにくい
2021年2月27日


ユニバーサルデザインの力
イグ・ノーベル賞をご存じでしょうか? ノーベル賞をもじって、「人々を笑わせ、そして考えさせた」研究に贈られる賞です。 この賞を、2011年に日本の研究者が受賞しています。受賞理由は「火災など緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発」です。 身近な食品を使って警報装置といえば音声情報によるものだという固定観念を覆した、楽しい発明ですね。 「わさび警報装置」は、聴覚障害者や耳の遠い高齢者、睡眠中、ヘッドホンをしているなどの事情で警報音が聞こえにくい人に対して危険を知らせることができるという点で、まさに「障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方」、つまりユニバーサルデザインに基づくものといえます。 この発明は、音声情報ではなく臭気で危険を知らせる、「臭気発生警報装置および異常事態報知方法」として日本や米国などで特許も取得しています。 もちろん、従来品とのコスト差など越えなければならないハードルはありますが、今後実用化が進み、既存の
2021年2月19日
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