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信号機とユニバーサルデザイン


夕方などに信号機が見えづらいと思われたことはないでしょうか。


これを解決しようと導入されたのがLED信号機です。


LED信号機は視認性を向上させ、また西日が当たることにより信号が点灯しているかが分からない状態(疑似点灯)を防ぐことができます。

ユニバーサルデザインの観点から優れています。


しかし別の課題も生まれました。色覚障害がある場合、かえって見えにくいということが分かったのです。


ユニバーサルデザインを実現しようとした結果、別のユニバーサルデザインに関するハードルが生じたという残念な事例です。


税金を無駄にしないためにもユニバーサルデザインの設備導入や環境整備前には当事者のモニタリングが重要です。


せっかくユニバーサルデザインをうたっているにもかかわらず実際には不便が生じているという事例は信号機以外にも多く見られます。


たとえば多目的トイレ(だれでもトイレ)は広く導入されるようになりました。


しかし、実際に使用してみると①ゴミ箱などの備品が邪魔をして用を足せない、②ベビーシートが開いているとそもそもトイレに入れない、③ボタンが押しにくい場所にありウォシュレットを誤作動させてしまう、④知的障害者には器具の操作が難しいなどの欠陥がよく指摘されます。


またパラリンピック開催に備え、東京都ではバリアフリー条例を改正しようとしました。


同条例は宿泊施設のバリアフリー化を図るため、ホテルなどの宿泊施設に入口や通路幅の基準を定めようとしたものです。

しかし、実証実験の結果、その基準では電動車椅子を使用している方の大部分がトイレに入れなかったそうです。バリアフリーは絵に描いた餅になってしまいます。



もちろん財政上の限界がありますからすべての設備を今すぐ改良したり、実証実験を行ったりするのは難しいでしょう。


しかし、トイレと信号機の整備はバリアフリー設備の中でも障害者、高齢者のために決定的に重要です。

これらの整備が不十分では仕事にも病院にも行くことに困難が生じるため、社会的損失は大きいものです。

さらにトイレや信号機のような公共施設について無駄なものを造ってしまっては税金の無駄になります。

モニタリングが重要です。

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